ロールプレイ•リテラシーで違う立場になってみる
これからの社会で必要なのは、さまざまな立場になって考えを巡らせたり、演じたりする力です。
消費者だったり、顧客だったり、住民だったり……働く大人は仕事の対象の立場になって、イメージを膨らませなくてはなりません。
学校では、国語で登場人物になりきってみることをやります。また、社会科では歴史上の人物の立場になって考えたりします。
また、ディベートなども、これらの力を高めるために有効な学習になります。
コミュニケーション•リテラシー
情報編集力の1つ目は
《コミュニケーション•リテラシー》です。
異なる考えをもつ他者と交流するために必要な力です。
その基礎になるのは、国語、英語になります。
国語や英語で身につけた言語能力を活用し、他者とつながることが重要です。
アクティブ•ラーニングを「主体的•対話的で深い学び」と文科省は定義しています。
他者と『対話』することで、自分を高めて行くことが必要です。
コミュニケーション•リテラシーを身につけるためには、ディベートやブレストが有効です。
ディベートで、異なる立場の考えを知ること、自分の考えを相手に伝わるように述べること、そして、両者が納得する解を導き出すことで、コミュニケーション能力が高まります。
ブレストでは、複数の脳と自分の脳がつながり、新しい考えや見方を知ったり、今まで気付かなかったことを生み出したりすることができます。
子ども達は意外とディベートやブレストが好きです。しかし、そういう授業があまり行われていないのが現実です。
情報処理力から、情報編集力へ
「情報処理力」と「情報編集力」についてもう少し比較してみます。
「情報処理力」は、読み書きソロバンの基礎学力です。速く正確に答えを出す力で、《頭の回転の良さ》が求められます。もちろん、この力は今でもこれからも必要で、小学校の学習の9割はこの力を付けています。
しかし、正解を速く見つけることは、コンピューターやAIには叶いません。ですから、情報処理だけの仕事は、将来的にAIに取って代わられる可能性があります。
「情報編集力」は、正解のない問題に対して『納得解』を作り出す力です。自分と他者の脳をつなげ、新しい価値を生み出したり、今までにないものを作り出したりする《頭の柔らかさ》が求められます。
2020年から実施される新しい学習指導要領では、この情報編集力を高めるために、アクティブ•ラーニングという授業スタイルが取り入れられます。
21世紀の子供たちに求められる学力は《レゴ型》学力
正解がある20世紀の成長社会において、必要とされていた学力は、いち早く正解を導き出す力でした。いわゆる「情報処理力」です。
計算問題を速く正確に解くという力です。
これをたとえると《ジグソーパズル型》の学力と言えます。ジグソーパズルには、正解の絵柄があり、それをいかに速くピースを埋めていき完成させるかという遊びですよね。
しかし、正解がない21世紀の成熟社会においては、たくさんの情報をつなげて、みんなが納得する答えを導き出すことが求められます。その力は「情報編集力」です。
ジグソーパズルと対比して遊びで例えると、答えがなく、どんな形にも組み立てることができる、そう、《レゴ型》の学力ということができます。
子ども達にどのような学力を付けなければならないか、お分かりになりましたでしょうか。
「情報編集力」を付けるために、教育も変わっていかなくてはならないのです。